申し入れ

 昭和57年に採択された国連海洋法条約では、地形や地質が地続きであることが証明できれば、「大陸棚」の範囲を現代の200カイリから350カイリまでに延長して、わが国の新たな「大陸棚」とすることが可能である。そのためには、国連「大陸棚の限界に関する委員会」に対し、平成21年5月までに地形や地質に関する詳細なデータ等を申請し、同委員会の厳重な審査をクリアしなければならない。しかし、厳しい財政事情の下、調査費用や調査船舶、機材の不足により、期限前に審査をクリアするレベルの調査を完了することが困難な情勢となっている。
 新たな大陸棚の面積は約65平方キロメートル(日本列島の1.7倍)と見込まれ、金、銀のほか、マンガン団塊、コバルトなど数十兆円分とも試算される膨大な海底資源が存在すると言われている。これが自国の大陸棚となれば、海底生物の採取や鉱物資源の開発利用が可能となり、民間企業の海底資源探査に関する技術の育成も可能となる。また、調査結果は、将来の海底地震など防災対策や気候変動の予測、漁業の振興等に大いに活用できる。
このような米曾有のビッグチャンスを近視眼的な財政判断で逸することとなれば、後々、わが国にとって大きな損失となることは間違いない。そこで、国家百年の大計に立って新大陸棚画定を必ず実現させるためにわれわれは項目に関して強く要請するものである。

  1. わが国の大陸棚画定に向け、関係機関の十分な連携を図るとともに強力な調査推進体制を確立すること。

  2. 国連への申請に不可欠な海底の精密な地形調査や地殻調査、ボーリング調査を期限内に完了するには、現行の予算レベルでの調査では既に絶望的な状況であり、調査船舶、機材の大幅な拡充を早急に行うことが必要である。平成16年度予算において、従来の枠にとらわれることなく、これら拡充を可能とする大規模な予算額を確保すること。

平成15年7月1日
わが国の「大陸棚」拡張を真剣に考える自由民主党議員有志一同