決 議

私たち「自由民主党花粉症等アレルギー症対策議員連盟(通称・ハクション議連)は、平成7年6月20日に発足以来、8年間にわたり、花粉症をはじめとするアレルギー症の克服を目指して、活動を展開してきた。この中で、私たちは、現在スギ花粉症に苦しむ人が、日本全国で約2千万と推定されるなど、アトピー性皮膚炎やぜん息、食物アレルギー等と合わせ、国民病とも呼ぶべき実態にあることを再認識した。また、このアレルギー症を引き起こす免疫の問題については、がんやリウマチの発症機構を解明することにより、その治療法開発にも結びつくものであり、国民の健康を幅広く考える上にも、また、拡大し続ける医療費を抑制する上にも大きな意味を持つものと考えた。更に、環境の世紀とも言えるこの21世紀に、環境的側面からも取り組むべき課題であると考えた。
時あたかも、「免疫・アレルギー科学総合研究センター」が今秋完成し、本格的研究が開始されるというタイミングでもあり、当議連において、この度、以下のことを決議し、政府にその実現を要望するものである。

  1. 国民病とも言うべきアレルギー症を克服するため、この問題を取り上げ、日本政府としての総合戦略を打ち出す機関として、内閣の中に「アレルギー克服総合戦略会議(仮称)」を設置するべきこと。

  2. その戦略会議において、以下の点を検討し、その結果を具体的施策として力強く推進するべきこと。
    (1)免疫・アレルギー科学総合研究センターにおいては、基礎研究を推進すると共に、患者を扱う医療機関とも広く連携し、早期にアレルギー症を克服する努力を行うべきこと。
    (2)医療機関におけるアレルギー標榜科の設置を推進すると共に、運営上の課題を解決すべきこと。また、国立アレルギー医療センターの設置を検討するべきこと。
    (3)アレルギーを巡る民間療法については、その効果や副作用について検討を行い、国民に広く周知すべきこと。
    (4)林業については、花粉症対策の間伐・抜き切り事業推進や花粉の少ない品種の植樹推進等の発生源対策等と共に、将来的には、国民の健康にも配慮した林政ビジョンを打ち出すべきこと。
    (5)ディーゼル排煙問題、アレルギー素因以外の複合要因についても、十分な研究検討、対応を行うべきこと。
    (6)花粉の飛散状況の観測、予測体制の一層の整備に努めるべきこと。
    (7)アレルギーには、環境的要因の他に、心因的要因、文化的要因も関係していると言われる。社会のあり方を含む広範な研究を行うべきこと。

平成15年7月
自由民主党花粉症等アレルギー症対策議員連盟