4月より混乱の中、後期高齢者医療制度がスタートしました。
後期高齢者医療制度とは
後期高齢者医療制度は、健保やこれまでの市長村単位の国保ではなく、都道府県単位で一本化した75歳以上独立の保険制度です。市町村から都道府県単位に変更したことにより保険料が変更されます。
例えば、大阪府下でも、大阪市内の75才以上の方の保険料はやや下がる人の方が多いですが、保険料が上がる人が多い市町村もあります。
後期高齢者医療制度になっても、窓口負担の「原則=1割」「現役並み所得者=3割」に変更はありませんが、扶養されている人を含むすべての75歳以上の高齢者が保険料を徴収されることになります。
従来の現役世代の医療費支援から、新制度は後期高齢者支援金が4割、公費が5割、高齢者の保険料が1割となりました。
その保険料ですが、従来の国保とは異なり、新制度では均等割と所得割のみになり、複雑な負担軽減措置が実施されます。均等割は所得に応じて2割、5割、7割の減額となり、所得割は年153万円以下の者にはかからない制度になっています。
そして、新制度の所得割は保険料に占める比率が従来の国保に比べて高くなっていることから、「低所得者は負担減となり、高所得者は負担増となる」との厚生労働省の説明です。
しかし、これまでの各市町村独自の減免措置がなくなることもあり、新制度により所得が低くても保険料率が上がることもあります。
後期高齢者医療制度の問題点
この新制度について平成18年5月に衆議院の厚生労働委員会で強行裁決をした、と民主党は異議を唱えています。確かに問題だと思いますが、参議院送付されて、民主党が、この問題とされる法案にどれだけの疑問や変更提示をしたのかよく分かりません。
そして、当時の厚生労働委員会の先生方はもちろんの事、与党の先生方も、この法案の中身を十分に理解した上での採決だったのか、又、法案の施行まで1年10ヶ月もあったのですから、もっとわかりやすい説明をすることが出来たはずなのにと、今になっては右往左往しているのが残念で仕方がありません。
確かに、市町村は約1800ありますので、これまで1800通りの保険料があり、年収等によっても異なり、分かりにくい事は事実です。
しかし、充分な周知や理解を得ることなく、突然、4月より年金から保険料2ヶ月分+介護保険料を天引きとなると、驚き、混乱するのは当然です。
もっと丁寧な対応が必要ですし、その時間もあったと思います。
今後、ますます高齢化が進むことが予想され、高齢者の医療を現役世代の負担増だけで支えるのは大変だという考えのもとの後期高齢者制度です。
医療費増加に伴い、現役世代だけでなく、高齢者に対しても何らかの形で一部負担をお願いするのは仕方のないことかもしれません。
しかし、今後も制度の見直しは必要だと思います。
年金が月1万5,000円(年額18万円)以上の人すべてからの天引きの仕組みは見直していく必要があると思います。
例えば、老齢基礎年金額以下の人の天引きは見直さないといけないのではないでしょうか。
また、保険料の約4割を占める後期高齢者支援金を支える企業健保の負担が増え赤字となりました。この点でも検討が必要だと思います。