6月11日、民主党が、社民党、国民新党と共同で福田康夫首相に対する問責決議案を参議院に提出し、参議院本会議で共産党を含む野党の賛成多数(賛成131票、反対105票)で可決されました。
各社マスコミが報道している通り、問責決議の主な理由としては、
- 後期高齢者医療制度は廃止すべきとの声が満ちている中、手直しだけで廃止を拒否している。
また、参議院で可決し、衆議院に送付した廃止法案も、与党の圧倒的な数的優位により審議できない状況である。 - 4月のガソリン値下げで、首相は与党政治家、官僚の利益を優先し、原油高から国民生活を守れとの声を無視した。
- ガソリン暫定税率の復活法案について、参議院で結論が出ないうちに政府、与党は憲法規定を乱用し、衆議院で再可決した。
- 自民党は昨夏の参議院選挙で「宙に浮いた年金記録5000万件の解決」を公約したが、期限の3月末までに解決されたのは1割に満たない。
- 内閣支持率は20%を割り、首相が何をしたいのか国民には伝わらず、首相はもはや国民に見放されている。
- 首相は、即刻、内閣総辞職か、衆議院解散、総選挙で国民の信を問うか、いずれかを選ぶべきだ。
ということです。
しかし、民主党はなぜ、11日に問責決議案を提出したのでしょうか?
もともと、この日は福田首相と小沢民主党代表の党首討論が予定されており、この日に問責決議案が提出されたことで、小沢代表が後期高齢者医療制度の矛盾点などを追及する予定だった討論は見送られました。
問責を提出するとしても、予定通り党首討論を行い、与野党の政策の違いを国民に明確に示した上で提出すべきだったと思います。
民主党側のはっきりとした対案が出されず、また、内閣総辞職・衆議院解散に追い込めない状況であっただけに、結果的に詰めが甘くなり、秋の民主党代表に向けての雰囲気つくりに終わってしまったように見えます。
また、首相問責決議案が提出されると、与野党の対立で国会審議が、全面的に滞ることは目に見えています。
今回の問責決議案提出は、国会審議がストップするだけで、あまり国民のためになっているとは思えません。
与野党ともに党利党略は辞め、国民を第一に考えた政治を行って欲しいと思います。